【アクセシビリティ】2017年度アクセシビリティおじさん活動を振り返る
おはようございます。大阪のアクセシビリティおじさんこと小畑です。
Web Accessibility Advent Calendar 2017の15日目の記事になります。 (途切れないように、なんとかつなぐことができてほっとしております)
しばらくブログも書けてない中、気がついたら今日を迎えておりました。 みなさん、年末進行でお忙しいとは思いますが、ご一読ください。。。
今日は、2017年度のアクセシビリティおじさん活動を振り返ります。
※本記事で出てくる「アクセシビリティ」は「Webアクセシビリティ」のことを指しております
- アクセシビリティおじさん活動を振り返る
- アクセシビリティの祭典
- 関西でもアクセシビリティの勉強会をやりたい
- フロントエンドとアクセシビリティは親和性が高い
- アクセシビリティを追求する
- アクセシビリティを「意識する」ことから始めよう
- 参考)小畑の登壇資料
- さいごに
アクセシビリティおじさん活動を振り返る
2016年、名古屋のWCANで、植木さんと大藤さんのセッションを聞いて、そこからじわじわアクセシビリティについて意識をするようになりました。
そして、、、2016年7月に大阪でAccTalkを開催!という、本家アクセシビリティおじさんこと、木達さんのブログを拝見して、迷わず参加表明をした次第です。
2016年7月のAccTalk@大阪に参加しなければ、今の僕はここまでアクセシビリティに情熱を注いでいなかったかもしれません。(なんか、2016年の振り返りになっていますが、ご容赦ください、、、)
このAccTalk@大阪に参加したことで、アクセシビリティ魂に火が付きました。もともと、HTMLとか、W3Cの仕様書とか、DTDとか、神崎先生とか好きだったので、そのあたりのお話をできる人たちがこの世の中にいたのか!!!!という驚きもありつつw、深い知見をお持ちの方が多かったので、大変勉強になりました。そして、自分の居場所を見つけた感覚に陥りましたw
過去記事もどうぞ。
で、これをキッカケに積極的に勉強会に出たり、LTでお話したり、自分から行動をすることがきるようになりました。そして、いつの日か、大阪のアクセシビリティおじさんとして活動することも認められ(謎 アクセシビリティ界隈の方々とお話する機会も増えていったのであります。ここで、コミュニティに飛び込むことの大切さを学ばせていただきました。
アクセシビリティおじさん活動をして学んだことは、
- とにかくコミュニティに飛び込め!
- HTML大事
ということ。 待っていても、向こうからは何もやってこないのですよ!
現場で活躍されている方々のお話を直接聞くことで、大きな学びになりますし、ネットに転がっているような情報では得られない気づきも得ることができます。アクセシビリティの世界は、正解があるようでない。みんなが同じ答えを持っているとは限らないのです。(そこがおもしろくて、難しい所)
まずは、Slackコミュニティに飛び込んでみては?躊躇していると、時間もったいないですよ〜(おじさんに残された時間は少ないw Slackだと時間の制約も、場所の制約もありませんから!日頃からアクセシビリティに触れる場をつくることは大事なことです!ぜひ!ROMだけでも、刺激になるかと思います!
個人的に、コミュニティに飛び込むまでは、ハードル高いな。。。と思いましたが、実際にはそうでもありませんでした。中の人たちは、ビール好きが多く、とても和気藹々としておりました。やるかやらないかの決断は早い方がいい。駄目なら(自分に合わないと思ったら)、やめたらいいだけですし。飛び込む前にあれこれ悩むよりも、飛び込んでから悩んでもいいじゃない。
ということで、Dive into accessibility!
アクセシビリティの祭典
関西でこれだけ大きな規模のアクセシビリティのイベントはまずないですね。参加できて、とても勉強になりました。
アクセシビリティは、本やネットの情報だけでなく、当事者の方や、それらに関わる方々の、現場の声が聞ける場所が必要だと感じてます。
実際に見たことがないと、当事者の方がブラウジングしている姿をイメージできないし、何のためにアクセシビリティが必要なのか、と言うことも説明することができなくなります。というか、説得力がないですよね。
そういう意味で、アクセシビリティの祭典は非常に素晴らしいイベントだったと個人的には思いました。
そして。。。
イベントごとは、やはり東京が多いなという印象で、関西でも勉強できる場があればいいのになぁ。。。なんてボヤいてたら、、、口に出して言うてみるものですね。。。
関西でもアクセシビリティの勉強会をやりたい
そして、2017年6月。
関西でもアクセシビリティの勉強会をやりたい、なんて無責任なことをボヤいてたら、、、なんと、時代工房の柴田さんが、京都で勉強会を開催してくれたではありませんか!
その名も!ウェブアクセシビリティたいらげ会!
かなり、内容の濃い時間となりました。僕は第2回には残念ながら参加出来ず、、、次回開催も期待しております!おじさん勉強せねばー。
その後も、JIS X 8341-3:2016, WCAG 2.0早見表/逆引き表を製作してくださり、ご丁寧に郵送までしていただきました!これ、常にデスクの手の届くところに置いております!
詳しくは、時代工房さんのサイトをご覧ください。 http://www.jidaikobo.com/news/55.html
早見表の詳しい話は、Web Accessibility Advent Calendar 2017の1日目で書いていただいております!こちらも要チェックですね! http://www.jidaikobo.com/archives/27.html
フロントエンドとアクセシビリティは親和性が高い
いま、フロントエンドの実装をやっている人であれば、いますぐアクセシビリティを学んだ方がいいです。理由は、設計よりも、デザインよりも、一番アクセシビリティを実感できるポジションにいるから。(実際、僕もそうでした)HTML大事です。
Webの根幹はHTMLであって、そこがきちんと設計できてないことには、アクセシビリティを語ることができません。逆に言うと、HTMLを理解している人が、きちんとアクセシビリティを学ぶことができれば、、、もう、それだけでアクセシブル。と言っても良いのではないでしょうか。
もう一度言います。HTML大事です。
正しい文書構造、セマンティクス、WAI-ARIA、音声読み上げ、、、いずれも、ディレクターやデザイナーにお話しても、言語が違うので、理解してもらうことは難しいと思います。だからこそ、フロントエンドの実装を担っている方が、アクセシビリティをしっかりと学んだ方がよいのです。そこから波及させていけば、理解をしてもらいやすくなるでしょう。
僕の経験上、アクセシビリティは、トップダウンではなく、ボトムアップの精神で推し進めていくのが有効的です!
こちらは、アクセシビリティとは離れますが、、、 LTでお話させていただいた内容になります。
脳内マークアップのススメ
ということで、HTML大事。
アクセシビリティを追求する
アクセシビリティを追求していくと、ひとつの学問として成立するのではないかと考えております。答えがあるようでない世界。外部の審査機関に出しても、それぞれ、担当の人によって解釈が変わってくるものでもあり、非常に難しいと実感しております。(経験談)
アクセシビリティ界隈で活躍されている方々でも、日々模索している状態です。疑問などがあったら、どんどんSlackに投げかけてみたら良いと思います。問いかけに対して、ディスカッションが始まります。見ているだけでも勉強になりますよ!
仕様書を翻訳している方々も、日々改善をしていただいているようです。こちらには見えない苦労をされていることでしょう。。。日本語と英語のニュアンスの違いなどは、翻訳するのに大変だとは思いますが。。。本当にありがとうございます。それが故に、仕様書が難しく感じるのかもしれません。
アクセシビリティを「意識する」ことから始めよう
というスローガンを自分の中で立てて普及活動を進めてきました。
まわりの人達を巻き込んで、自分ごとにしてもらう。ということに重きを置いて活動しております。
izuizuさんの記事にもあるように
ということで、ウェブアクセシビリティ沼にはまらないための(もしすでにはまってしまった人も)解決方法はたったひとつ。 ウェブアクセシビリティはひとりでやらない です。
いろいろな人たちの課題や考え方や使い方(こういうのをイシューっていうのかしら?)の共有や、最新情報の共有があなたを沼から救ってくれます。たぶん。
とのことで、ひとりでやったら駄目ですwこれは、僕も同意見です。周りを巻き込みながら、そして、巻き込まれながら勉強してくのが一番だと感じております。
まわりの人達というと、まずは社内ですね。(フリーランスの方であれば、プロジェクトチームとかでしょうか)そこで理解を得られなければ案件として成立しない可能性が高いです。僕の場合は、まずは実装チーム。そこから、ディレクターに波及させていきました。そのおかげで、アクセシビリティを考慮したプロジェクトが増えてきました!地道な努力が必要ですけどね!
過去記事もどうぞ。
参考)小畑の登壇資料
各所で、LT登壇させていただいたときの資料になります。 「アクセシビリティを意識していただくキッカケ」としての内容ということをご容赦ください。
Webアクセシビリティ脳のつくりかた
アクセシビリティのあれこれ 〜まずは、意識することから始めよう〜
マサカリ、マサカリ、マサカリ、、、(汗
さいごに
冒頭でも申し上げましたが、アクセシビリティおじさん活動をして学んだことは、
- とにかくコミュニティに飛び込め!
- HTML大事
ということ。
最後になりますが、自分の過去記事からの引用で締めさせていただきます。
総じて言えるのは、「アクセシビリティはWebの本質である」ということです。ここ1年アクセシビリティを勉強してきて感じたこと。HTMLと同じで、20年経っても、大きく内容が変わりません。多様性は出てきていますが、本質は同じ。だから、僕自身、このWeb業界で生き残れてきたのだと自負しています。HTMLとアクセシビリティ。どちらも地味な分野ですが、Webには「アクセシビリティ」が欠かせないモノだと改めて実感できました。自分にできることは少ないにしろ、世の中の人達に少しでも意識してもらえる「キッカケづくり」ができれば。。。まずは社内からですね。
みなさんも、どうか良いアクセシビリティライフをお過ごし下さい。
明日は、makojo さんです!よろしくお願いいたします!
でわでわ。